日本の経済産業省は2026年8月31日、総額7兆7859億円の2027会計年度予算要求を提出した。前会計年度の約3兆6930億円と比べ、大幅な拡大となる。MONOistのまとめによると、この差は要求支出の大幅な拡大を反映しており、産業技術、サプライチェーン、国内の生産能力が明確に重視されている。
ただし、要求額は必ずしもすべての事業が最終的に予算を得ることを意味しない。金額は引き続き審査され、国家予算の中で承認される必要がある。それでも、項目の配分は、今後の段階で省が戦略的優先事項とみなしている分野を示している。
人工知能とロボットを最優先
同省は人工知能、半導体、ロボットの分野に約1兆4000億円を配分した。また、要求には人工知能に関連する産業基盤の整備に向けた約5300億円の枠組みも含まれている。これは、産業データを活用し、日本が「フィジカルAI」基盤と呼ぶものやロボットを開発しながら、2040年までに100兆円規模の経済的生産に到達するという、日本が掲げる目標の文脈に位置付けられる。
実際、この方向性は、提案されている支援がAIモデルやソフトウェアに限定されず、設備、ロボット、インフラ、産業データを生産システムへ転換する能力にまで及ぶことを示している。受益者や資金配分の仕組みの詳細については、予算が承認され、実施プログラムが決定されるまで未確定のままである。
技術とサプライチェーンへの投資
予算要求における新たな項目の一つが、「国内技術への戦略的投資」枠で、金額は6311億6000万円に上る。この枠組みには、人工知能、グリーントランスフォーメーション(GX)関連の施策、その他の産業基盤支援プログラムなどが含まれる。同省は、これらの投資が日本の産業における強みの維持に役立つ可能性があるとみており、長期的な生産能力と研究能力を必要とする分野に資金を振り向ける。
また、要求には供給安全保障の強化に向けた6800億円も含まれている。これらの配分は、2030年まで重要技術を維持し、その開発を支援することに加え、材料の製錬など川下段階への投資を強化することに重点を置く。この文脈では、インジウムを含む重要鉱物が注目されており、供給源を多様化し、限られた地域や供給経路への依存を低減する方向が示されている。
半導体不足への対応
同省は、半導体不足危機への対応策として2200億円も要求した。記事によると、この項目は2026会計年度予算には含まれていなかった。優先事項には、代替材料の利用支援、輸入原材料への依存を軽減する技術の開発、さらに半導体製造に投入される中間材料の備蓄確保が含まれる。
なぜこのニュースが重要なのか? 数字は、日本の産業政策が個別の技術プロジェクト支援から、人工知能、ロボット、半導体、原材料の安全保障を組み合わせた、より広範な資金供給へ移行していることを示している。企業や技術サプライヤーにとっては、日本国内での研究・生産プログラムに追加の機会が生まれる可能性があるが、最終的な資金規模や利用条件が確定したことを示すものではない。また、複数の軸にまたがるため、予算の効果を測るには、当初の要求額だけでなく実際の執行状況も重要になる。