Googleは、2026年8月に発表した主なAI関連発表の成果をまとめて公開した。新モデル、消費者向けデバイス、学生・開発者・研究者向けのツールを組み合わせた内容となっている。これは、Geminiを会話アシスタントにとどめず、デバイス、検索、仕事用ツールに組み込まれたレイヤーへと移行させる同社の方針の一環である。
低コストのモデルと、より精度の高い音声タスク
Googleは、プログラミング、ソフトウェアエージェントの構築、ナレッジワークのワークフロー、ウェブ開発を対象とするモデルとして、Gemini 3.7 Flashの提供開始を発表した。同社によると、このモデルはGemini 3.6 Flashからわずか3週間後に登場し、導入時の価格は100万トークンあたりで従来モデルの半額に相当する。この点は、モデルの品質と反復タスクの実行コストのバランスを取る開発者にとって重要だが、この記事では性能比較の独立した数値や、導入時価格の適用期間に関する完全な詳細は示されていない。
Googleはまた、リアルタイム音声文字起こしモデルであるGemini 3.5 Transcribeを発表した。音声エージェント、ライブキャプション、通話後の分析を対象としている。同社によると、このモデルは、未加工の音声をより正確で文脈を理解したテキストへ変換することで、ノイズや専門用語に対応する。
Geminiがデバイスと仕事用ツールへ進出
Made by Google 2026のイベントで、同社はPixel 11、Pixel 11 Pro、Pixel 11 Pro XL、Pixel 11 Pro Foldを発表した。各デバイスにはGoogle Tensor G6チップが搭載され、最新のGemini Nanoモデルを動作させるほか、カメラと耐久性も改善されている。Googleによると、このシリーズは、同社が「Gemini Intelligence」と呼ぶ、スマートフォン体験に組み込まれたパーソナルアシスタンスを提供するよう設計されている。
Gemini Liveでは、GoogleがPersonal Intelligence、Daily Brief、Spark、ハンズフリーでのメール受信トレイ管理などのツールを追加した。実際には、これらの追加機能は、質問に答えるだけでなく、日常的なタスクを実行・整理するアプリへの移行を示している。ただし、機能の提供状況は国、言語、契約内容によって異なる。
教育とメディア生成
Googleは、世界中の対象となる大学生にGoogle AIのプランを1年間無料で提供すると述べた。学生向けハブ、教師向けツール、SAT対策機能も用意する。さらに、インタラクティブな視覚的解説、SAT・ACT・GRE・LSAT向けの練習テスト作成、Lensを通じた段階的な学習、ノートブックでのコンテンツ整理など、AIを活用した教育機能を検索に追加した。
同社はまた、より細かな制御による動画生成を可能にするGemini Omni 1.1 Flashを発表した。シーンの延長、最初と最後のフレーム間の補間、4K解像度へのアップスケーリング、プロトタイピングの高速化に対応する。このモデルは、Google Flow、Google AI Studio、Google AI Enterprise Agent Platform、Geminiアプリで利用できる。
10億人のユーザーから科学分野のアプリケーションまで
Googleによると、Geminiアプリの月間ユーザー数は10億人を超え、ユーザーの63%が直接会話している。また、アプリでは毎日1億5,000万枚を超える画像が生成されているという。同社はさらに、中小企業が画像・動画・音声生成ツールをマーケティング資料の制作に利用していると述べている。
消費者向け製品以外では、GoogleはオープンソースのGemmaのダウンロード数が10億回を超え、その利用分野がスマートフォンやエッジインフラから宇宙にまで及んでいると説明した。また、英国政府および航空業界と協力するOperation Blue Skiesプロジェクトを紹介し、予測を活用して飛行経路を調整し、飛行機雲の発生を回避する取り組みを示した。気候分野では、Natureに掲載された論文が、WeatherNext 2にハリケーンの進路、強度、風の構造を予測する能力があることを示したと述べ、研究者向けにモデルをオープンソースとして提供すると発表した。
このニュースが重要な理由
この成果のまとめは、競争が単一のモデルをめぐるものだけではなく、利用コストの削減、AIとデバイス・サービスの接続、教育・メディア・科学における存在感の拡大をめぐるものでもあることを示している。ただし、ここで示された数値や成果の大半はGoogle自身が発表したものであり、機能の提供状況も国、言語、年齢によって異なる。また、一部の機能には契約や、より高い利用上限が必要になる場合がある。そのため、独立した比較や実際の性能テストについては、別途検証する必要がある。