Patientdesk.aiは、トルコ語向けに特化した2つの音声モデルを発表した。テキスト読み上げ用のAlaniaと、音声認識用のDuyuである。両モデルは1つのアカウントと1つのAPIキーで利用でき、ローンチキャンペーンの一環として、登録日から1か月間の無料利用期間が提供される。
トルコ語の課題に合わせて設計されたモデル
同社によると、両モデルの開発は、多くの音声AIソリューションが主に英語のデータに依存しているという問題を出発点としている。同社はさらに、トルコ語の膠着語としての性質、固有名詞、電話通話における音質の低さに加え、メールアドレスや電話番号の発音も、汎用モデルにとって実際的な課題だと説明している。
Patientdesk.aiは、米国のクリニックへの電話に応答する音声アシスタントの開発経験を生かし、トルコ語での用途に重点を置いてAlaniaとDuyuを訓練した。
音声認識におけるDuyuの性能
同社が公表した数値によると、Duyuは公開されているトルコ語FLEURSテストで、単語誤り率4.71%を達成した。同じテストにおけるOpenAIのWhisper large-v3は5.04%だった。
電話品質の音声や、メールアドレスと電話番号を含む会話を対象とした社内テストセットでは、Duyuの誤り率は9.87%だった。一方、同社は同じセットにおけるElevenLabs Scribe v2の率として10.4%を報告している。記事では、テストセットの規模や方法論の詳細は明らかにされていないため、この比較は同社が公表した結果として読むべきであり、包括的な独立評価ではない。
Duyuは録音済みの音声ファイルを処理してテキストに変換できるほか、ライブ会話をリアルタイムでテキスト化できるため、即時文字起こしや音声通話向けのアプリケーションを想定している。
Alaniaと低遅延の音声ストリーミング
Alaniaは、トルコ語のテキストを一貫性のある自然な1つの音声で読み上げることに重点を置いている。モデルは文が完了する前に音声をストリーム形式で送信できるため、応答速度の影響を受ける電話通話や音声アシスタントに適している。現在、プラットフォームが提供する音声の選択肢は1つで、予定、質問、落ち着かせる場面などの文脈に応じたイントネーションのオプションが用意されている。
API統合とオープンな研究プロジェクト
両モデルは一般的なOpenAI API形式に対応しており、開発者は限定的な変更で既存のアプリケーションに統合できる。また、Patientdesk.aiはブラウザー上でモデルを試用し、APIキーを作成できるようにしている。
これと並行して、同社はテキスト読み上げ用の実験的なトルコ語オープンソースモデルとしてAntalia-1を公開した。リリースには、モデルの重み、コード、技術レポート、約5時間分のトルコ語音声データが含まれている。同社はこの研究プロジェクトを商用製品とは分けている。
実際には何が変わるのか?
今回の発表により、開発者は、特に通話や数字・メールアドレスを含むデータなど、特定のトルコ語ユースケースに向けた選択肢を得られる。ただし、公表された比較だけでは、あらゆる環境における品質を判断するには不十分であり、Alaniaで現在利用できる音声が1つだけであることも、現時点での利用の柔軟性を制限している。一方、Antalia-1は研究者に検証・開発可能な出発点を提供するが、性能評価と実務上のライセンスについては、記事に示された詳細の範囲外である。