2026年8月、オーストラリアでは初めてバッテリー式電気自動車の販売台数がガソリン車を上回り、内燃機関だけに依存する車両が市場で少数派となる転換が起きた。電気自動車の販売台数は27,078台で、新車販売総数の24.9%を占めた。一方、ガソリン車は25,824台、ディーゼル車は23,608台だった。
VFACTSとオーストラリア電気自動車評議会のデータによると、バッテリー式電気自動車の販売台数は2025年8月比で171%増加した。ハイブリッド車とプラグインハイブリッド車を加えると、電動車の市場シェアは51.8%に達した。新車市場全体も4.9%拡大して108,760台となっており、電気自動車の伸長が市場全体の縮小によるものではないことを意味する。
中国で生産された車両が主導するオーストラリア市場
この転換は数字の増加にとどまらず、最も売れているモデルの出自にも及んでいる。報告書が示す電気自動車の主要販売モデル8車種は、すべて中国の生産ラインから出荷されたものだ。中国ブランドにはBYD、Geely、Zeekr、Chery傘下のJaecooが含まれる。一方、Teslaはオーストラリアで販売する右ハンドル車をすべて上海工場で生産している。
したがって、オーストラリアの記録的な数字は、電気自動車への需要拡大だけでなく、その需要を満たすうえで中国のサプライチェーンが中心的な役割を果たしていることも示している。BYD Sealion 7だけで2,213台を販売し、市場における全車種の6位となった。また、Geely EX5の販売台数は前年同期比で385%以上増加した。
Teslaがモデル別で首位、BYDは品ぞろえの多さで上回る
Tesla Model Yは8月に6,414台を販売し、前年同月比176%増となってモデル別ランキングの首位に立った。これは2026年におけるTeslaの月間首位として3回目となる。ブランド別では、Teslaは合計7,685台を販売し、163%増で3位となった。
BYDは8,231台を販売してTeslaを上回り、2位となった。ただし、前年同期比の伸び率は68.8%だった。報告書は、この優位性をBYDの製品ラインアップの多様性と結び付けている。BYDは、オーストラリア市場で2車種のみを展開するTeslaよりも多くのモデルをそろえている。これに対し、ブランド全体ではToyotaが19,712台で首位となったものの、販売台数は5.2%減少した。また、Toyota、Mazda、Kiaの販売台数が減少する一方、中国の電気自動車メーカーは2桁および3桁の成長を記録した。
なぜこのニュースが重要なのか?
オーストラリアは、報告書によれば中国製電気自動車に高額な関税を課していない市場で、幅広い電気自動車が提供されると、車両構成がいかに速く変化するかを示す実例となっている。情報源は、この状況が競争力のある価格と性能を持つモデルの提供に寄与したと見ている。ただし、関税が販売拡大の唯一の要因だと証明するものではない。提示されたデータは、価格、優遇措置、モデルの供給状況、充電インフラの影響を分離していないためだ。
確実に言えるのは、オーストラリアでの競争が中国ブランドおよび中国で生産された車両に急速に傾いており、ハイブリッド車を含めると電動車が市場の半分を超えたことだ。未解決の問いは、この傾向が同じペースで続くのか、そして従来の自動車メーカーが中国車のモデル範囲拡大に対抗するため、ラインアップを再編するのかという点である。