Amazonは、Bee FrontierとBee Eclipseを発売した。これらは、日常の会話を聞き取り、テキスト、要約、実行可能なタスクへ変換する、AIを搭載したパーソナルデバイスだ。今回の動きは、同社が昨年Beeというスタートアップを買収したことに続くもので、ユーザーの日常的な文脈を理解するAI搭載パーソナルデバイス市場での存在感を拡大する狙いがある。
異なるデザインの2機種
Bee Frontierの価格は約75ドルで、初代デバイスを改良したモデルだ。手首に装着したり、クリップを使って衣服に取り付けたりでき、発売時にはブラック、グリーン、パープルを用意する。Amazonは録音ボタンをより分かりやすく再設計しつつ、2つのマイクと録音状態を示すインジケーターライトを残した。バッテリーは1回の充電で約7日間持続し、IP67規格に準拠した防水・防じん性能を備える。
一方、Bee Eclipseの価格は99ドルで、クレジットカードに似た長方形のデザインを採用し、スマートフォンの背面に磁石で取り付けられる。Amazonはブラック、ピンク、イエロー、シルバーでの発売を予定しており、バッテリーは最長21日間持続する。このデザインは、特に職場環境などで、デバイスを身に着けることを好まない人を対象としている。
会話からタスクや購入提案へ
BeeデバイスはAIを使って会話の文章による要約を作成し、アイデアやタスクを抽出するため、手作業でメモを取る必要を減らせる。また、Gmail、Googleカレンダー、Outlook、Apple HealthKit、写真と連携し、会話の文脈に基づいてメールの下書きを作成したり、カレンダーの招待を作成したりできる。
基本機能はサブスクリプションなしで利用でき、会話の要約と振り返り、14日間にわたるメモリー機能が含まれる。一方、月額12ドルのBee Proでは、無制限の要約、毎日のタスク提案、日々の思い出、パーソナルな会話アシスタント、会話用テンプレート、外部アプリとの連携に加え、コンピューター向けアプリが追加される。
サブスクリプションでは、AmazonのサービスやAlexa Plusとの連携も可能になる。例えば、家族が猫用品を必要としているという内容が会話に含まれていた場合、Amazonストアのホームページにその商品についてのリマインダーや、購入ページへ移動するリンクが表示されることがある。この連携を有効にするには、ユーザーの同意が必要だ。
実際には何が変わるのか
Beeデバイスは、単にメモを記録するだけではない。会話で話された内容を、メール、カレンダー、健康、ショッピングのサービスに結び付ける。そのため、ユーザーが日常的に使うアプリの上で動作するAIレイヤーに近いものとなるが、この機能の価値は、要約やタスク抽出の正確さ、そして何を保存し、何を行動に移すかをユーザーが管理できる能力に左右される。
プライバシーが依然として決定的な要素
Amazonは、テキスト、要約、タスクが同社独自のセキュリティ基盤「Private Compute」を通じて暗号化され、音声録音は保存しないとしている。ユーザーが指定した時間が経過した後に音声を検知しなかった場合、デバイスが自動的に録音を停止するよう設定することもできる。また同社によると、システムは初期設定時にユーザーの基本的な声を学習し、他人が自分の声を使ってシステムを学習させることに同意しない限り、他人の声を自動的に認識することはない。
それでも、これらの措置だけで、他人が参加する会話や、公共の場・職場でのデバイス利用に関する問題が解決するわけではない。話者を特定する方法、データ処理の範囲、常時聞き取りを行うデバイスの存在を他人がどの程度受け入れるかは、この製品カテゴリーを評価する上で依然として主要な要素となる。