MetaのパーソナルAIエージェント「Muse」は、9月8日のリリースから22日間で、米国におけるダウンロード数が500万件を超えた。市場調査会社Sensor Towerの推計による。アプリを使えば、ウェブ閲覧、メール送信、旅行予約の整理など、一連のデジタル作業をユーザーが委任できる。
Sensor Towerのデータによると、ChatGPTがモバイルで500万ダウンロードに達するまでに要した期間は56日間だった。一方、Grokは103日間、Claudeは同じ数字に達するまで492日間を要した。また、Museは米国のApp Storeで12日間、無料アプリのランキング首位に立った。
異なるローンチ条件の下での急速な普及
アプリ同士を比較しても、ローンチ条件が同一だったわけではない。Museは米国とカナダでiOSおよびAndroid向けに提供されたのに対し、GrokとClaudeは提供開始後最初の5日間、iOSに限定されていた。この違いはユーザーへの到達速度に影響する。
Sensor Towerのデータは、マーケティングキャンペーンがこの実績に明確な役割を果たしたことを示している。9月16日、MetaはMuseの広告費を増額し、1日当たりのダウンロード数は前日比で73%増加した。9月14日から27日までの間、Metaが自社製品を宣伝する広告の表示回数に占めるMuseの割合は、一部の日で50%に達した。また、同アプリは9月21日から27日の週に、米国で広告表示回数が多い上位15ブランドのリストに入った。
Museでできること
Metaによると、Museはユーザー専用のクラウドコンピューター上で動作し、専用ブラウザーを使って、フォームへの入力、買い物、旅行の手配などの作業を実行する。アプリを閉じた後も長時間の作業を続け、進展があった場合や承認が必要になった場合にユーザーへ戻って知らせることができる。
利用例としては、Instagramに保存したレシピを買い物リストに変換することや、ユーザーが設定した目標の計画を作成し、それに関連する手続きを追跡することなどがある。MuseとはアプリまたはWhatsAppを通じてやり取りできる。Metaは、メールの送信や購入手続きの完了にはユーザーの承認が必要であり、アプリにアクセスを許可するサービスもユーザーが指定すると説明している。
サブスクリプションと手数料に基づく収益モデル
Museには無料利用枠があるほか、月額20ドルのサブスクリプションでは、タスクとバックグラウンドで実行される自動化機能の上限が引き上げられる。さらに、エージェントをより集中的に利用する場合の料金は月額100ドルに達する。Metaはまた、アプリがユーザーに代わって実行する購入や予約に対して手数料を徴収する計画だ。
なぜダウンロード数だけでは不十分なのか
500万ダウンロードの突破は、AIエージェント分野に注目を集めるMetaの力を示す強い指標だが、アクティブユーザー数や、有料サブスクリプションへ移行した割合は明らかにしない。Metaは、プロモーションによって生じたダウンロードが、日常的で繰り返し利用される状態に転換することを証明する必要がある。特に、Museの価値は一度試すことではなく、実際の作業を同サービスに委任することにかかっている。