Tencentは、オープンソースの生成AIモデルHy4 Previewをリリースし、プログラミング、データ分析、文書作業、科学研究を対象とした生産性モデルとして提示した。このモデルは7700億パラメータを備える一方、Mixture-of-Expertsアーキテクチャにより、各処理でアクティブ化されるのは490億パラメータ בלבדであり、コンテキストウィンドウは100万トークンを超える。
長いコンテキストウィンドウにより、このモデルは1回のセッション内で大量のコードや文書を扱える。これは、複数のファイルを理解したり、長期にわたる作業の各段階を追跡したりする必要があるタスクに直結する能力だ。ただし、Tencentは公開資料で、異なる実行環境におけるモデルの性能を裏付ける独立した結果や外部比較を示していない。
社内結果で2つの競合モデルを上回る
Tencentのデータによると、Hy4 Previewは同社が実施したブラインドテストで、4点満点中平均2.99点を獲得した。このテストにはTencentの専門家163人が参加し、203件のエンジニアリングタスクが含まれていた。同モデルは、Z.aiのGLM-5.3(2.92点)とMoonshot AIのKimi K3(2.94点)を上回った。
これらの数値はTencentが設計・実施した社内テストを反映したものであり、市場における独立した順位ではなく、性能の初期指標として読むべきだ。また、公開資料ではデータセットの詳細、タスクの分布、評価手法の全体像が明らかにされていない。これらは、規模や方式が異なるモデルを比較する際に重要な点だ。
プログラミングから科学研究まで
Tencentは、このモデルを一般的な会話タスクだけでなく、実用的な用途の文脈に位置付けている。同社によると、Hy4 Previewはコードを理解し、実装計画を立て、エラーを修正し、結果を検証できる。また、フロントエンド開発タスクで生成するインターフェースの品質や操作体験にも特に重点を置いている。
さらに、このモデルはデータ分析や財務分析、複数の文書の処理、文書・スプレッドシート・プレゼンテーションの作成に対応する。また同社は、自然言語による指示から実行可能なゲームのプロトタイプを作成し、その後、ゲームエンジンとの複数回のやり取りを通じて発展させられるとしている。
Tencentが強調する分野には、AI研究、分子動力学シミュレーション、凝縮系物理学、基礎数学が含まれる。ただし、入手可能な資料によれば、これらの能力はモデルの用途や性能に関する同社の主張であり、独立した研究機関が発表した結果ではない。
モデル自身の開発への利用
Tencentによると、Hy4 Previewは、トレーニング手法、データ戦略、評価システム、低レベルオペレーターなど、開発の一部の段階の改善に貢献した。同社の説明では、モデルがさまざまな手法を提案し、実験を実行し、その結果として得られたコード、ログ、フィードバックを基に、後続の反復開発の構築を支援した。
Tencentはこれを、反復的な自己改善に向けた初期段階のループと表現している。また、推論アーキテクチャのボトルネックを分析し、オペレーターの融合や通信の最適化に関する変更を提案するためにもモデルを利用した。同社によると、これらの取り組みにより、初期ベースラインと比較してエンドツーエンドの生産性が31.8%向上した。
提供状況、料金、現在の制限
Hy4 Previewは、WorkBuddy、CodeBuddy、Yuanbao、imaなど、Tencentの製品を通じて利用できる。プログラムによるアクセスはTencent Cloud TokenHubとOpenRouter経由で提供され、同社はHugging Faceを通じてオープンソースコミュニティにもモデルを共有した。
- 入力100万トークンの料金:0.834ドル。
- 出力100万トークンの料金:2.501ドル。
- キャッシュから利用した100万トークンの料金:0.042ドル。
- WorkBuddyとCodeBuddyのユーザーは、リリース後2週間、無料でアクセスできる。
この発表が重要な理由 Hy4 Previewは、大規模な総パラメータ数、Mixture-of-Expertsアーキテクチャ、100万トークンを超えるコンテキストを、オープンソースでの提供と公開されたAPI料金と組み合わせている。そのため、長大なコードや文書を扱うチームにとって重要な選択肢となる可能性がある。一方、Tencentはこれをプレビュー版と位置付け、ユーザーからのフィードバックを利用して改善し、近くHy4ファミリーの新モデルをリリースするとしている。そのため、社内テスト以外での結果の信頼性、初期版の安定性、ライセンスや実際の運用に関する問題は、本格的に導入する前に検証が必要な点として残っている。