Appleは2026年9月9日、Apple Watchの新しいセンサーと、iPhoneおよびiPadのHealthアプリに搭載されるApple Intelligenceによる分析機能を組み合わせた、幅広い健康・フィットネスアップデートを発表した。同社によると、Apple Watch Series 12とApple Watch Ultra 4には新しいHealth Sensing Systemが搭載され、再設計されたHealthアプリは今年後半に対応デバイスへ提供される。
今回の変更は、新しい指標を追加するだけにとどまらない。Appleは、分散した生体情報を日々のガイダンスと、ユーザーの健康に関するより長期的な全体像へと変換しようとしている。一方、一部の機能は特定のデバイス、言語、地域に関連付けられており、AppleはVitalsツールがウェルネス目的であり、医療用途ではないことも強調している。
心臓の測定頻度を高め、レディネススコアを追加
Health Sensing Systemには、新しい光学式および電気式の心臓センサーが含まれ、Apple Watch Series 12とApple Watch Ultra 4では、1日を通じて5秒ごとに心拍数を測定できる。また、Appleによると、時計は心拍変動(HRV)の測定頻度を5分に1回へ引き上げ、測定回数は24倍になる。
時計には2種類のHRVが表示される。1つは日々のストレスと回復の兆候を読み取るのに役立つ回復指標で、もう1つは心血管の健康を含む健康状態について、より広い文脈を提供する全体指標だ。夜間指標のデータには、個人のベースラインと比較したRecovery HRVも含まれ、夜間に現れる前の測定値の変化を明らかにできる日中表示も追加される。
両モデルにはReadiness機能も搭載される。これは、最近の活動量、生体指標、睡眠スコアに基づく0から10までの毎日のスコアだ。スコアは「回復」「ペースを落とす」「準備完了」「さあ始めよう」という推奨に変換される。新しいデータが届くとスコアは日中に変化し、どの要因が影響したかも示される。Appleによると、この機能のアルゴリズムはApple Heart and Movement Studyのデータを使用し、同社の運動科学者や医師と協力して開発された。
Appleがウェアラブルデバイスの中で心拍数測定の最高精度を実現したとする主張は、異なる人口集団を代表する1,000人超の参加者を対象に同社が実施した研究に基づいている。この結果はApple自身の情報源によるものであり、発表には研究デザインを評価したり、独立して比較したりするために十分な詳細は示されていない。
Healthアプリがデータの表示から解釈へ移行
iOS 27およびiPadOS 27では、HealthアプリにInsightsとLongevityの2つのタブが追加される。Insightsは、心臓、睡眠、レディネス、フィットネス、生体指標、周期追跡に関する最新の概要を1日を通じて表示し、For Youセクションではユーザーのデータに関連する推奨事項や記事を提供する。
Longevityは、心臓の健康、睡眠、心理的ウェルビーイング、運動、代謝の健康、聴覚、栄養に関する長期的なデータをまとめる。また、VO2 max、安静時心拍数、睡眠、HRVなどのデータを基に、ユーザーの指標の推移を暦年齢と比較するHealth Ageも含まれる。ユーザーはA1cやLDLなどの検査結果を分析に追加できる。
Appleは、iPhoneのカメラとApple Watchを使って、柔軟性、筋力、バランス、動作の仕組み、VO2 maxを測定する自宅での動作評価も追加する。同社によると、処理はすべてデバイス上で行われ、動画が録画、保存、共有されることはない。視覚向けの人工知能モデルを使い、リアルタイムで音声および視覚によるフィードバックを提供する。
実際に何が変わるのか
Appleは今回の取り組みで、継続的なセンシング、パーソナライズされた分析、個別化された健康コンテンツを組み合わせる。例えば、検査結果が表示された後にLDL値についての説明を表示したり、動作評価後にバランス改善のための運動を提案したりできる。ただし、これらの機能によって時計やアプリが医師の代替になるわけではない。発表自体も、閉経後の出血や閉経前の段階を示す指標など、一部の通知については医師に相談するよう促している。
iOS 27のCycle Trackingは、閉経前および閉経の段階の記録、症状と周期の追跡に対応し、40歳以上のユーザーに閉経前の段階を示す可能性のある偏差がある場合に通知する。また、iPhoneが近くになくてもApple Watch上でWorkout Buddyを実行できるようになるほか、AirPods Pro 3とiPhoneを介して対応するフィットネス機器と心拍数を同期する機能、トレッドミルの測定値の改善も含まれる。
提供時期と制限
watchOS 27は9月14日から、Apple Watch Series 9以降、Apple Watch SE 3、Apple Watch Ultra 2以降に提供される。iOS 27を搭載したiPhone 11以降またはiPhone SE 3も必要となる。再設計されたHealthアプリは今年後半に提供され、まず米国英語に対応し、その後、追加の言語に対応する。
50種類を超える生体指標を含む検査は、米国内のQuest Diagnostics約2,000拠点で、アプリを通じて119ドルで提供される。Health AgeにはApple Watchが必要で、VO2 max推定テストにはApple Watch、AirPods Pro 3、または心拍数を測定する外部デバイスが必要となる。Appleは、一部の機能がすべてのデバイス、地域、言語で利用できるとは限らず、現地の法律の影響を受ける可能性があると説明している。