Hyundai Motor Groupは、従来型のリチウムイオン電池が現在、充電と性能の面で急速な改善を実現しているにもかかわらず、全固体電池への投資を続けている。同グループの研究開発責任者であるManfred Harrerは、同社はこの技術を諦めることはできず、その開発競争に参加し続けなければならないと述べた。
現在の電気自動車用電池は、正極と負極の間でリチウムイオンを移動させるために液体電解質を使用している。一方、全固体電池はこの液体を固体材料、主にセラミックまたはポリマーに置き換える。この設計により、より小型のバッテリーパック、より速い充電、より長い航続距離に加え、安全性に関する潜在的な利点も実現できる可能性がある。しかし、自動車向け規模で全固体セルを製造することは、依然として各社が完全には解決していない課題だ。
まずは少量生産車から
Harrerは、今後5年間で全固体電池を使用する少量生産車が登場すると予測している。ただし、それらは大衆車というより、技術デモンストレーション用の車や高性能モデルに近いものになる見通しだ。この見方は、他社が発表したスケジュールとも部分的に一致している。QuantumScapeは、10年末までに高性能車で同社の電池を使用することを予測している。
これまでのところ、限定的な実験モデルが登場しており、その中にはQuantumScapeのセルを搭載したDucatiのバイクや、Factorialの技術を使用するMercedesの車両が含まれる。しかし、これらのソリューションのいずれも、消費者が実際に購入できる全固体電池搭載車にはまだ到達していない。
最大の障壁はコスト
Harrerによれば、原材料コストの問題は5年以内には消えない。生産が拡大しても、これらの電池は長年にわたって高価なままとなり、航続距離と充電に関する約束が実現したとしても、大衆市場での利用は制限される。
この点は、試作車や少量生産車での技術の成功と、リチウムイオン電池に経済的に対抗する能力を区別することの重要性を浮き彫りにしている。10%から97%まで9分未満で充電するGeelyの技術をはじめとする従来型電池の最近の進歩により、全固体電池が商業的に実用化される前に、期待値は引き上げられている。
Hyundaiは実際に何を望んでいるのか?
Hyundaiは全固体電池を社内で開発するとともに、Solid Powerなどのパートナーと協力している。また、Toyota、Volkswagen、BMW、General Motors、Ford、Honda、Nissanなどの企業も同様の取り組みに投資している。同グループは基礎的な知識と独自のサプライチェーンを保有することを目指しており、そのため電池の社内製造にも投資している。
この方針は、電気自動車の経済性における電池の重要性と結び付いている。電池は車両で最も高価な部品であり、他の電動車両にも使用される。本文によれば、Hyundaiは社内製造のニッケル・マンガン・コバルトセルを、来年初頭の発売が予定されているSanta Fe電気自動車の航続距離延長モデルに導入する計画だ。
ここで最も重要な読み取りは、Hyundaiが全固体電池を大衆車向けの近い将来の解決策としてではなく、市場が成熟する前に製造の専門知識とサプライチェーンを構築する必要がある長期的な賭けとして扱っているということだ。未解決の問題は、原材料コスト、大規模生産の実現可能性、そして少量生産車以外で技術が投入された際に、航続距離と充電の向上が価格差を正当化するかどうかに関係している。