Slate社は、間もなく登場する電気トラックの仕様に根本的な変更を加えた。従来のニッケル・マンガン・コバルト(NMC)バッテリーを使用する計画を断念し、リン酸鉄リチウム(LFP)技術に基づいた単一のバッテリーパックを採用することにした。この新たな転換は、コスト効率とトラックの航続距離の向上を目的としている。
技術的な変更の詳細として、同社は2025年4月のトラック初公開時、SK On社製の容量52.7kWhのバッテリー(推定航続距離150マイル)を採用し、さらに容量84.3kWhで航続距離約240マイルのオプションを提供することを計画していた。しかし、同社はこれらの計画を、イリノイ州のGotion社が製造する容量65kWhのLFPバッテリーパックの採用に変更した。これにより、発表済みの開始価格24,950ドル(目的地配送手数料1,450ドルを除く)を維持しつつ、推定航続距離を205マイルに引き上げた。
なぜSlateはバッテリー戦略を変更したのか?
この転換は、いくつかの規制および経済的要因によるものである。当初、同社は連邦政府のクリーン車両税額控除を受けるために、コンポーネントや重要鉱物の原産地に関する厳格な条件を満たす必要があり、そのため米国製のNMCセルが適切な選択肢となっていた。しかし、2025年9月以降に購入される車両に対する税額控除の適用が終了することに伴い、その切実な設計上の必要性はなくなった。
さらに、Gotion社はイリノイ州マンテノ市の工場で製造を行っており、これはインディアナ州ウォルソーにあるSlate社の工場からわずか約90マイルの距離にある。これは、700マイル以上離れたジョージア州から供給されていた以前のバッテリーと比較して、物流コストの削減に寄与する。
利用者にとって実質的に何が変わるのか?
LFP技術への移行は、コスト削減や100%までの頻繁な充電に対する耐久性の向上といった利点がある一方で、いくつかのエンジニアリング上のトレードオフをもたらした。
- 航続距離と性能: 新しい65kWhのLFPパックがトラック下の利用可能なスペースを完全に占有するため、航続距離240マイルのロングレンジ版は廃止された。また、低電圧システムの影響で馬力は201馬力から181馬力に低下したが、0から時速60マイルまでの加速時間は約8秒を維持している。
- 空間設計: 新しいプリズム型セルは、個別のモジュールを使用せずにバッテリーをパワーパック内に直接積み重ねる配置を採用しており、空力特性や熱管理の改善とともに、シャシー下の利用可能なスペースの活用を向上させている。
- 保証: 同社は、バッテリーおよびパワートレインに対して10年間または110,000マイルの包括的な保証を提供している。
同社は、205マイルという航続距離の数値は米国環境保護庁(EPA)のテストサイクルに基づいた推定値であり、現時点では最終的な認定値ではないことを明らかにしている。