スタートアップのTiny Healthは、B Capitalが主導したSeries Bの資金調達ラウンドで3,300万ドルを調達し、累計調達額を4,600万ドルに引き上げた。同社は資金を医療提供者や企業との事業拡大、腸内マイクロバイオームと健康上の結果の関係に関する研究の発展、そしてチームの拡大に振り向ける予定だ。
今回のラウンドには、Spero Ventures、The Venture City、Overwater Venturesなどの既存投資家に加え、Black Opal VenturesやAlumni Venturesなどの新規投資家も参加した。また、B CapitalのNick Whiteheadが同社の取締役会に加わる。Tiny Healthは売上高や評価額を明らかにしていないが、評価額はSeries Aラウンドと比べて大幅に上昇したと述べた。
乳児向け検査からより広い市場へ
Cheryl Sew Hoyは、子どもの腸内マイクロバイオーム研究を調べるきっかけとなった家族の経験を経て、2020年にオースティンで同社を設立した。プラットフォームの開発に2年を費やした後、Tiny Healthは2022年に乳児向けの家庭用腸内マイクロバイオーム検査を開始し、その後、妊娠、膣内マイクロバイオーム、成人を対象とする検査へ提供範囲を拡大した。同社によると、現在は成人が検査の最大のセグメントを占めている。
顧客は綿棒を使って少量の便サンプルを採取し、同社に送付する。その後、検出された微生物と、それらが何をする可能性があるかを説明するレポートを受け取り、次のステップに関する提案や、裏付けとなる研究へのリンクも確認できる。Tiny Healthは微生物のDNAを分析するためにショットガン・メタゲノム・シーケンシング技術を使用しており、同社によれば、限られた種類の微生物を調べる検査と比べ、より広範な微生物を検出できる。
実際に何が変わるのか
Tiny Healthはもはや消費者への直接販売だけに依存していない。Powered by Tiny部門を通じて、同社は医療提供者や、自社サービスに検査を組み込む企業に検査を提供している。提携先にはSuperpower、Fullscript、Mayo ClinicのExecutive Health and Longevityプログラムが含まれる。また、6,000人を超える医療従事者にサービスを提供し、患者ケアにおけるレポートの活用方法に関する研修も実施している。同社によると、総売上高は毎年倍増し、企業向け事業は昨年4倍に成長した。
同社はTinyAIというツールの開発に向けてデータも収集している。このツールは、約200,000件のマイクロバイオームサンプルと、同社の科学チームがレビューした研究結果を利用し、ユーザーが自分の結果を理解できるよう支援する。Tiny Healthは、顧客が提供した健康データについて、個人を特定できる詳細を削除した後に使用していると述べている。
限界と残された問い
Cheryl Sew Hoyは、同社の製品はウェルネス検査であり診断ツールではなく、保険も適用されないと強調している。検査で特定できるのはサンプルに存在する微生物であって、特定の微生物がその人の症状を引き起こしたことを証明するものではない。また、病気のリスクを予測し、発症前に介入するという長期的な目標は、臨床的な証明を必要とする研究分野にとどまっている。
同社は、乳児を対象とした研究を含む4本の科学論文を発表しており、成人に関する追加研究も支援する予定だ。検査とデータを研究者や臨床パートナーが利用できるようにするため、500万ドルを割り当てる。したがって今回のラウンドの意義は、検査を消費者への直接販売製品から、医療提供者と結び付いたデータ・研究基盤へと発展させることにある。しかし、こうした健康データの価値は、微生物の違いを発見できることだけでなく、マイクロバイオームに基づく介入が実際に結果を改善することを証明できるかどうかに左右される。