ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所のアルビン・K・ヘラースタイン判事は、2026年10月1日、国務省と国土安全保障省を相手取り3つの労働組合が提起した訴訟について、政府による棄却申立てを退けた。この判断により、事件は主張の実質を調査する段階へ進むことになるが、監視プログラムが違法であるとの最終判断を意味するものではない。
裁判所は何を審理しているのか
全米自動車労働組合(UAW)、全米通信労働組合(CWA)、米国教員連盟(AFT)は、2025年10月に訴訟を提起した。労働組合側によると、政府のプログラムは人工知能やその他の自動化技術を使い、ビザ保有者やグリーンカード保有者のソーシャルメディアアカウントを監視している。その目的は、政府に受け入れられない意見を表明する人物を特定し、処罰することだという。
訴状は、このプログラムが米国憲法修正第1条および行政手続法に違反していると主張している。この訴訟で労働組合側を代理しているのは、電子フロンティア財団(EFF)、Muslim Advocates、Media Freedom & Information Access Clinicである。
裁判所は何を決定したのか
裁判所は、政府の移民政策が厳格化しているとされる状況下では、移民上の不利益を受ける脅威が、通常の人であれば修正第1条に基づく権利を行使することを抑止するのに合理的に十分であると判断した。そして、非市民は、移民上の不利益な措置を受ける信頼できる脅威があるため、望ましくない意見の表明を控える可能性があると結論づけた。
また裁判所は、監視が労働組合に及ぼす影響を付随的なものとみなすことを退けた。判決によれば、組合員が発言し、集まり、公に姿を見せる自由は、労働組合が組合員を勧誘し、組織し、連絡を取り、組合員を代表して交渉するために依拠する仕組みである。そのため、組合員を沈黙させたり、組合から離脱させたりするとされるプログラムは、労働組合自体の代表機能に影響を及ぼし得る。
なぜこのニュースが重要なのか
この判断が直接もたらす法的意義は、政府の手続き上の主張に基づいて事件を決着させるのではなく、異議申立ての継続を認めた点にある。実際面では、原告側の代表者による供述から、一部の組合員がソーシャルメディアの利用方法を変え、組合のコンテンツとの交流を減らしたり、監視や移民上の利益への影響を恐れて投稿やオンライン外の活動への参加をやめたりしたことが示されている。
これは、申し立てられている監視の影響がデータ収集にとどまらないことを浮き彫りにしている。投稿が移民上の地位に影響するかもしれないという単なる認識が、個人の行動を変え、労働組合の連絡・組織化能力を弱める可能性がある。プログラムの範囲、データの利用方法、政府の措置が実際に特定の意見を標的にしているかどうかなど、重要な問題は未解決のままであり、これらは訴訟の本案審理の段階で検討されることになる。
原告側の立場
UAW会長のShawn Fainは、意見を表明したり、組合に参加したりしたことで、政府による監視や移民上の地位に関する報復を恐れるべき人はいないと述べた。CWA会長のClaude Cummings Jrは、この判断を言論、抗議、組織化の自由を守るための第一歩だと評した。AFT会長のRandi Weingartenも、この判断は反対者の監視に対する異議申立てを後押しするものだと述べた。
EFFの主任弁護士Lisa Femiaは、移民上の利益に関連して標的にされることを恐れ、組合員がオンライン上でもオフラインでも交流の仕方を変えたと強調した。Muslim Advocatesは、この判決は監視プログラムについて政府の責任を問うための一歩だと述べた。一方、Media Freedom & Information Access Clinicの学生Nick Jonesは、事件が本案の審理へ進むことを期待していると述べた。