バージニア州にあるNASAのワロップス飛行施設は、今後数年間で打ち上げ回数が大幅に増加する見通しだ。施設ではFirefly AerospaceとRocket Labの事業が拡大している。8月12日にNASAが開催した産業向けイベントで、当局者や企業の代表者は、打ち上げ運用とそこで働く人々を支えるインフラに投資する時期が来たと述べた。
Firefly Aerospaceで打ち上げ施設開発部門のディレクターを務めるコールマン・マッコード氏は、計画が期待どおりに進めば、同施設は年間数回の軌道打ち上げから週1回の打ち上げへ移行する可能性があると述べた。Fireflyは、2027年以降の早い時期から、ワロップスで小型ロケットAlphaと中型ロケットEclipseを打ち上げる予定だ。
打ち上げ頻度の増加を予測
NASA監察総監室が6月に発表した報告書は、バージニア州宇宙港局に属する発射施設から実施される運用を含め、ワロップスからの打ち上げ回数が2025年の17回から2030年には44回に増えると予測した。これには、準軌道ロケットの打ち上げと、Rocket LabのHASTEの打ち上げが含まれる。HASTEは小型Electronの準軌道型である。
報告書によると、ワロップスはケネディ宇宙センターで表面化したものと同じインフラ上の課題には直面していない。ケネディ宇宙センターでは、打ち上げ頻度の上昇により、道路、電力網、推進剤を含む消耗品の供給が、センターと隣接するケープカナベラル宇宙軍施設で圧迫された。FireflyとRocket Labがワロップスを選んだ理由の一つは、ケープカナベラルの混雑だった。
しかしマッコード氏は、Fireflyはワロップスをケープカナベラルの負担を軽減するための単なる拠点とは見なしておらず、東海岸の主要な打ち上げ拠点と考えていると述べた。Kratos Defense and Securityで極超音速試験プログラムMACH-TB 2.0の副プログラムマネージャーを務めるスコット・ベセット氏は、ワロップスには試験・打ち上げ運用における長年の経験があり、繰り返し行われる運用頻度に対応する能力があると指摘した。
施設運用を更新
打ち上げの増加による圧力は、発射施設や試験場の構成要素にとどまらず、道路、排水処理、予備電力、施設内の機材輸送にも及ぶ。ワロップス飛行施設のディレクターであるデービッド・ピアース氏は、より高い運用頻度に備えており、その一環として、試験場運用の効率を改善するためRocket Labと「Lean Six Sigma」の演習を実施していると述べた。ピアース氏によると、こうした取り組みにより、Rocket Labの支援コストは半分に削減された。
ワロップスには、多くの発射施設が非常に近い距離に位置しており、効率的な運用スケジュールの重要性が高まっている。ピアース氏は、一部の発射施設間の距離はマイルではなくフィート単位で測られると述べた。また、NASAの最近の再編により、ワロップスでの打ち上げ運用の管轄がゴダード宇宙飛行センターからケネディ宇宙センターへ移されたことで、資産の稼働率向上に役立つ可能性がある。ただし、新たな関係はまだ始まったばかりだ。
周辺地域のニーズ
成長に必要なものは施設の境界内に限られない。地元当局者は、地域で労働者を呼び込み、定着させるうえで、住宅と社会サービスがボトルネックになっていると警告した。必要とされているのは、保育、医療、日常的なサービスに加え、遅い時間帯のシフトで働くチームに対応できるホテルやレストランの拡充だ。
また当局者は、ワロップスと港湾・空港を結び、増加する交通量に対応するため、道路と輸送手段の改善を求めた。こうした取り組みには、施設が位置するバージニア州と、労働力の大部分が暮らすメリーランド州の地方政府間の調整が必要となる。ピアース氏は、地域の宇宙エコシステムを構築するには両州の境界を越える必要があると考えている。一方、マッコード氏は、労働力を確保できることがFireflyのワロップス選定における重要な要因だったと述べた。