ロボットと自動化

世界の実際の作業でヒューマノイドロボットを訓練する日本のデータ工場の内部

日本の習志野市で、35台のヒューマノイドロボットを使ってフィジカルAIの訓練データを収集する施設の稼働が始まった。5社で構成されるコンソーシアムの一環で、遠隔操作、動作の撮影、成功・失敗状態のラベリングを行い、工場やさまざまな分野で利用可能なモデルの構築を目指している。

2026-09-11
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世界の実際の作業でヒューマノイドロボットを訓練する日本のデータ工場の内部

J-HRTI Kanto Data Factoryは、日本の千葉県習志野市で稼働を開始した。運営主体によれば、民間の国内企業が運営する日本初のフィジカルAIおよびロボット向けデータ工場だという。現在、施設には35台のヒューマノイドロボットがあり、収集されたデータは参加企業間で共同利用される。

この施設は、現実世界の作業を自動化するフィジカルAIの利用への期待が高まる中で設立された。記事によれば、日本政府はこの分野を戦略分野に位置付けており、2040年度までに官民合わせて総額10.5兆円を投資する方向にある。また、国立社会保障・人口問題研究所の推計では、日本の生産年齢人口は2020年の7509万人から2040年には6213万人に減少する。

訓練データはどのように作られるのか

施設は、ロボットを操作する区域、撮影した映像にアノテーションを付ける区域、参加企業の環境をテストする区域に分かれている。ただし、最後の区域は見学者には公開されていない。操作者は、VRゴーグルとコントローラーを使ってロボットを遠隔操作する。ロボットは、人形や食品サンプルを運ぶ、箱から製品を取り出す、ひしゃくを使って樹脂ペレットを注ぐといった反復作業を実行する。

頭部とロボットの両手首に取り付けられた3台のカメラが、動作の詳細を記録する。その後、映像は時間区間に分割され、「左腕を使って物体を引く」といった動作の説明が追加される。記録対象は成功した試行だけではない。箱の中に落とした物体を再び拾うなど、ロボットが自力で復帰できる失敗にもラベルが付けられる。一方、物体を回収できない場合や、操作者のミスまたはカメラの不具合に起因する場合は除外される。

データからモデルへ、そして現場へ

精査されたデータはモデルの開発に使われ、実際のロボットでテストされる。その後、現場での稼働によって得られたデータが施設に戻され、モデルの更新に利用される。発表された計画によれば、2026年度には運搬などの単純な作業への適用を目指し、2027年度には日本全国の10拠点に拡大し、2028年度には業界別の専門モデルを提供する。

コンソーシアムは5社で構成されており、Tsumu​ra、DMS、Fuyo General Lease、Yamazenのほか、社名が公表されていない1社が参加している。INSOL-HIGHが事務局を務める。参加モデルの動機には、データと設備コストの分担、実際の職場のニーズに基づく作業設計が含まれる。

拡大を制限するものは何か

稼働は2026年8月26日に始まった。3月に発表された計画では、最大50台のロボットを収容できる施設が想定されていた。しかし、建物の制約により、適切な台数は約35~40台に減少した。施設の面積は約1400平方メートルで、詳細な住所は安全上の理由から公表されていない。施設では主にAgiBotのG1ロボットが使用されており、5本指の手を備えたG2モデルも段階的に導入されている。

編集部の見解:このプロジェクトの重要性は、ロボットの台数だけにあるのではない。異なる産業企業間で、運動技能のデータ収集を共有インフラへと変えようとしている点にある。このモデルの成否は、実際の利用から戻ってくるデータ量と、共有データによって新たな作業ごとの再訓練をどれだけ減らせるかにかかっている。サービスが中小企業に届くかどうかは、なお不透明だ。一人称視点でのデータ収集ツールや、ロボットの末端を操作する形でのデータ収集ツールを貸し出す構想はまだ検討中であり、最終的な利用料金も決まっていない。

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ITmedia AI Plus Japan
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