2013年に世界初のプラグインハイブリッド・スーパーカーとして登場したMcLaren P1に、容量を12.4kWhへ引き上げる新しい高電圧バッテリーが搭載される予定だ。純正バッテリーの容量は4.72kWhだった。このアップグレードは、McLaren車のエンジニアリングを専門とする独立企業V Engineeringが提供するもので、一部の旧式バッテリーで起きている性能低下に対処し、車両が本来の性能水準を発揮できる状態を維持することを目的としている。
P1の純正バッテリーは、電動走行距離を確保するとともに、ハイブリッドシステムの力強い加速を支えるよう設計されていた。しかし、顧客向け車両に初めて使用されたセルは2010年製で、当時のバッテリー技術は現在利用できるソリューションよりも大幅に進んでいなかった。時間の経過に伴い、比較的小容量のバッテリーはエネルギーを蓄え、期待された性能を発揮する能力が低下した。
容量を増やし、重量を削減
新しいソリューションはProject Continuumと呼ばれ、追加の車両改造を必要とする旨の記載なしに、純正バッテリーと直接交換できる。バッテリーには高性能な21700型リチウムイオンセルが採用され、容量は純正パックの約3倍に増加する。
今回のアップグレードは、蓄積エネルギーの増加だけにとどまらない。V Engineeringによると、新しいパックはMcLarenが採用したバッテリーと比べて約51ポンド、すなわち約23kg軽量だ。重量の削減は、容量増加による直接的なメリットに加え、車両の性能向上にも寄与する可能性がある。
電動走行と性能への潜在的な影響
容量の増加により、P1の電動走行距離が伸びると予想される。これは、特に市街地走行時に有用となる可能性がある。しかし、システム合計出力903馬力の同車は、高速走行時やサーキットでその能力をより強く感じられるよう設計されている。
こうした状況では、高電圧バッテリーが激しい加速時にハイブリッドシステムを支援できる可能性がある。そのため、このアップグレードは電動走行距離を延ばすことだけを目指すものではなく、車両に最大限の性能を求めた際に純正バッテリーが担っていた機能の一部を取り戻すことも狙っている。
初期プロジェクトのエンジニアと協力して開発
V Engineeringは、バッテリーの開発をP1の初期プロジェクトに参加したエンジニアと協力して行ったと明らかにした。また、このソリューションは、FIA Formula E選手権の要件を満たすよう設計されたバッテリーユニットを中心に開発された。同選手権では、電動シングルシーターがレース全体を通じて限界まで駆り立てられる。
McLaren P1は、Porsche 918 Spyder、Ferrari LaFerrariとともに、いわゆる「ホーリー・トリニティ」と呼ばれるスーパーカーの一角を占める。ただしP1は、世界初のプラグインハイブリッド・スーパーカーである点で特徴的だった。プラグイン機構も備えていたPorsche 918 Spyderについては、量産モデルがP1の数か月後に登場した。
取り付け時期
同社によると、世界各地のMcLaren P1オーナーと連絡を取っており、顧客向けの新しいバッテリーの取り付け作業は来春に開始される予定だ。情報元は、アップグレードの価格や、搭載可能な車両台数に関する追加の詳細を明らかにしていない。