ニューヨークを拠点とするSkalarは、テクノロジー系スタートアップが顧客獲得に支出してから、その顧客から十分な収益を回収できるようになるまでの時間差を埋めることを目的とした資金調達モデルを開始したと発表した。Skalarは株式を取得せず、資金の返済期限も固定しない。その代わり、資金を提供した顧客獲得費用から生じる収益に返済を連動させる。
同社は、金額非公表のシードラウンドを発表した。このラウンドは、サンパウロに拠点を置く投資会社Monasheesが主導し、General Catalyst傘下のCustomer Value Fundとのデットファイナンス提携も含まれる。1月の設立以来、Skalarは今後12か月間に7社のテクノロジー企業へ、営業・マーケティング費用として1億2,500万ドル超を提供することを確約している。
モデルの仕組み
Skalarは営業・マーケティング施策に充てられる支出を資金提供し、その支出によって獲得された顧客が生み出す収益から返済を受ける。同社によると、現在の契約では通常、提供額の約1.1倍を回収することを目標としている。
たとえば、ある企業が顧客獲得に10ドルを支出し、その顧客が30か月間にわたって毎月1ドルを支払うと見込まれる場合、Skalarは10ドルを提供し、その顧客が生み出す最初の11ドルを受け取る。この上限に達した後は、企業が残りの収益を保持する。顧客が8か月後にサービスを解約した場合、Skalarは8ドル בלבדを受け取り、残りの残高を帳消しにする。創業者兼最高経営責任者(CEO)のSebastián Cárdenasが説明した。
したがって、企業が顧客獲得費用を迅速に回収できれば返済期間は1か月で済む可能性があり、12か月必要になる場合もある。ただし、契約上の義務は残り、企業が予想された収益水準を達成できない場合には条件が変更される可能性がある。
通常の資金調達との違い
Skalarは、自社のモデルがベンチャーデットとは異なると考えている。ベンチャーデットは株式の希薄化を伴わない資金を提供する一方、より高い金利やリスク、返済スケジュールを課す可能性がある。また、通常は締結済みの契約や既存収益に基づくレベニュー・ベースド・ファイナンスとも異なる。Skalarは、まだ実現していない潜在的な収益に対して資金を提供し、その収益が完全には生じないリスクの一部を負担する。
このリスクを管理するため、同社は取引データを分析し、顧客獲得コスト、顧客の継続期間、時間の経過に伴って顧客が生み出す収益を把握する。創業者兼最高執行責任者(COO)のDaniel Castrillónは、新たな情報が入るたびに企業評価が継続的に更新されるため、対象顧客の選定は限定的になると述べた。
スタートアップにとってのリスク
固定された返済スケジュールがないからといって、資金調達に制約がないわけではない。Skalarは最低収益目標を設定しており、実績がその目標を下回った場合、より早い返済を求めたり、一定の状況下で追加資本の提供を停止したりできる。また、条件は収益、利益率、為替変動、特定の売上を特定のマーケティング投資に帰属させられるかどうかに関する推計にも左右される。
顧客獲得コストが上昇したり、こうした推計が誤っていたりすると、スタートアップが得る利益は予想を下回る可能性がある。Skalarによると、同社の契約には、債務不履行時に企業の資産を差し押さえる権利は含まれておらず、借り手に特定の財務指標や現金残高の維持を義務付けるものでもない。
このニュースが重要な理由
実務上の変化は、成長資金調達のリスクの一部をスタートアップから資金提供者へ移すことだが、契約上および運営上のリスクがなくなるわけではない。このモデルは、顧客獲得コストと顧客収益に関する安定したデータを持つ企業に適している可能性がある。一方、実績が変動しやすい企業は、利用する前に返済が前倒しになる可能性や、資金提供が途切れる可能性を評価する必要がある。料金設定や契約条件の詳細に加え、Skalarが資金提供を受け入れる企業の範囲も、提供された記事では完全には明らかにされていない。